整形外科で扱う疾患は変性性疾患、外傷(労働災害、交通事故などによる)、スポーツ外傷・障害、慢性関節リウマチ、骨軟部腫瘍、先天性疾患など乳幼児から高年者まで、男女の別を問わず広い範囲にまたがっています。当科目は整形外科的疾患の病態、診断法および治療法について講義を行います。病態については局所解剖を十分に理解し、各疾患発症のメカニズムを論理的に理解出来るように講義します。診断法については、問診、身体的所見のとり方および画像診断も含めた講義を行います。治療法は各疾患に対し、現在、最も一般的に行われている治療法を、手術的治療を中心として講義します。
また、当講座において行われている特色のある手術法(脊柱に対する当科独自で開発したdeviceによる固定、microsurgeryを用いた機能再建術、人工関節置換術など)についても紹介します。
整形外科領域で扱う疾患の病態についてはその概要を把握してもらいます。診断に関しては、問診および身体的所見のとり方を理解する。その上で、実際の患者さんに接した時にスムーズに診断が行えるようにしておくことを目標とします。画像診断については最低限、単純X線像の読影が可能であるレベルに到達してもらいます。
その他、CT、MRI、血管造影などについても基本的な読影技術の修得を目標とします。治療法については、各疾患に対する治療法の選択(手術適応)について理解することを最低限の目標とします。従って、各治療(手術)の具体的方法よりは、どのような症状が出現した場合にどのような治療法を選択すべきか、またその治療(手術)により改善が見込まれる点および手術により生じる合併症の把握などを理解する必要があります。
1 | 概要:整形外科領域で扱う疾患に対する診断、治療についてその概要を述べます。 |
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2 | 動器の解剖、生理 |
3 | 診断学:神経学的所見のとり方および画像診断を中心に述べます。 |
4 | 上肢、下肢、脊椎領域疾患:変性性疾患を中心とした代表的疾患について各領域ごとに講義します。 |
5 | 外傷学:骨折を中心とした四肢および脊椎外傷について講義します。 |
6 | 骨軟部腫瘍:悪性腫瘍、転移性腫瘍を中心に診断・治療の概要を述べます。 |
7 | スポーツ障害:靭帯損傷などのスポーツ外傷を中心にリハビリテーションも含めた治療の概要について講義します。 |
8 | 慢性関節リウマチおよび類似疾患 |
9 | 先天異常を含めた小児領域疾患 |
10 | 骨関節感染症 |
11 | 生体材料・人工関節:これらを用いた運動器再建についての概要を述べます。 |
12 | Microsurgeryを用いた機能再建術 |
13 | 整形外科領域における新鮮外傷の診断と治療方針 |