研究と業績
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基礎研究部門

免疫班

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研究紹介

免疫グループは「Musculoskeletal & Immunological Research Unit; MIRU」として、免疫細胞と骨・関節の細胞とのクロストークに着目し研究を行っています。自然免疫系からのアプローチによって、運動機能疾患の治療だけでなく、発症や進行の予防法の確立に向けた研究に注力しています。「MIRU」というグループ名には日本語の「見る」という意味をこめており、基礎研究から臨床応用までの一連の流れを見通し、より効果的な治療法をbench to bedsideで提供できるよう活動しています。

テキスト

図:免疫グループの研究コンセプト



1.骨溶解性疾患の予防に関する研究

人工関節置換術後の無菌性ゆるみは、ポリエチレン摩耗粉を貪食したマクロファージから炎症性サイトカインが分泌されることで発生します。ゆるみが進行し有症状となれば、再置換術以外に治療方法がないのが現状です。我々は、マクロファージや好中球由来のアネキシンA1 (AnxA1)が、炎症性骨吸収を阻害し、ゆるみの進行を抑制することを報告しました。骨粗鬆症など他の骨代謝疾患の予防・治療法の開発にむけて、AnxA1以外にも複数の免疫細胞由来因子を候補として研究をすすめています。

テキスト

図:マウス頭頂骨を用いた無菌性ゆるみモデルによる実験。ポリエチレン摩耗粉により誘導される骨吸収が、AnxA1の投与により抑制された。




2.腸管-骨免疫連関の探索による骨粗鬆症予防法の開発

骨粗鬆症は様々な要因によって全身の骨量を減らし、易骨折性をきたす疾患です。加齢による腸管の機能低下が骨粗鬆症の発症に寄与しているということが、近年明らかになってきています。腸管のバリア機能が破綻することで腸内細菌による炎症が骨周囲にもおよび、骨粗鬆症に至るとされていますが、その詳細なメカニズムについては明らかになっていません。我々は、血液・糞便・腸内組織・骨組織などの臨床検体を多角的なアプローチで解析することで、骨粗鬆症発症メカニズムの解明および予防法の確立を目指しています。

畳み込みニューラルネットワークによる予後予測

図:本研究の概念図


この他、変形性関節症の新規治療薬開発に向けた免疫細胞由来因子の探索などのテーマで研究を行っています。


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