下肢班は、スポーツ傷害や変形性膝関節症などの下肢疾患に対し、関節温存や関節機能の保持を重視した治療を行っています。特に軟骨再生治療や関節鏡手術において先端技術を活用し、臨床試験や研究にも積極的に取り組んでいます。
企業との共同開発による高純度硬化性アルギン酸ゲル(UPAL®ゲル)を使用した軟骨再生治療法の臨床試験を行っています。2016年からは膝関節軟骨障害患者を対象に、世界初の臨床パイロット試験を実施し、基礎研究との連携による臨床技術の確立を目指しています。また、2019年度からは多施設共同研究を主導し、安全性・有効性試験の中では、世界初の関節鏡視下UPAL®ゲル移植術を実施しており、現在は薬事承認に向けた最終段階に入っています。
下肢班では、企業と共同で独自に開発した“TriS Medial HTO plate System®”を使用した下肢矯正術を実施しています。また、このプレートシステムを活用した矯正術に関連する病態解析を幅広く行っております。特に、変形性関節症に対しては、CT画像解析手法を用いた応力分布解析や、北大工学部や医学部リハビリテーション科、函館整形外科クリニックとの共同研究による非光学的三次元歩行計測システムを用いた歩行解析研究などを行っております。